「それいけ!アンパンマン」などで知られるマンガ家で絵本作家のやなせたかし(本名:柳瀬嵩)さんが2013年10月13日午前3時8分、心不全のため都内の病院で亡くなりました。94歳でした。故人の遺志により、葬儀は近親者のみで行い、後日やなせたかしさんを偲ぶ会を予定しているとのことです。
奇しくも今年は画業60年、
絵本あんぱんまん出版40年、
アニメ「それいけ!アンパンマン」
テレビ・映画放送25年目という
節目の年で、11月には
「やなせたかし大全」を刊行予定でした。
もう94歳になっていたとは、ニュースで
年齢を聞いた時には驚きでした。
やなせさんが老人くさくないというか、
年齢よりも若い印象があるのは
●姿勢が良い(背筋がシャキッ)
●笑い声が大きい
●覇気がある
●物凄く明るくて前向き
だからでしょうか。
私も大いに見習いたいものです。。
プロフィール
やなせたかし(本名:柳瀬崇)
1919年2月6日生(大正8年)
2013年10月13日没(平成25年 94歳)漫画家・絵本作家・イラストレーター・歌手・詩人
日本漫画化協会理事長、日本漫画化協会会長を務める
有限会社やなせスタジオ社長
過去にデザイナー・編集者・舞台美術家・演出家・司会者・
コピーライター・作曲家・シナリオライターなど多方面で活躍。
作曲家名は ミシェル・カマ
多彩な過去経験を持つやなせさんですが、
アンパンマンがヒットしたのは70歳目前に
なってからでしたので、漫画家としては
遅咲きの部類に入ります。
やなせさんについてより詳しく知りたい方は
こちら(Wikipedia)をご覧下さい。
やなせたかしといえばやっぱりアンパンマン!
やなせたかしさんといえば思いつくのは
やはりアンパンマンなのではないでしょうか。
アンパンマンは1988年に日本テレビ系列で
放送が開始されました。
2009年には最もキャラクターが多いアニメとして
ギネスにも認定されました。
その数何と1768キャラ。
(ゆるキャラの比ではないですね。)
日本人の正義とは困った人にパン差し出すこと
やなせさんは雑誌のインタビューで、
アンパンマンを創作するにあたっての
強い動機として、
「正義とはなにか」ということです。正義とは実は簡単なことなのです。困っている人を助けること。ひもじい思いをしている人に、パンの一切れを差し出す行為を「正義」と呼ぶのです。なにも相手の国にミサイルを撃ち込んだり、国家を転覆させようと大きなことを企てる必要はありません。アメリカにはアメリカの“正義”があり、フセインにはフセインの“正義”がある。アラブにも、イスラエルにもお互いの“正義”がある。つまりこれらの“正義”は立場によって変わる。でも困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、立場が変わっても国が違っても「正しいこと」には変わりません。絶対的な正義なのです。
と述べています。
第二次世界大戦で砲兵として中国に
駐留していたというやなせさん。
正義の闘いだと信じていたものが、
じつは侵略戦争だとは後で知りました。
全ての正義が相対化されていくなかで、
絶対的な正義とは何かを考え、突き当たったのが
飢えで苦しんだ兵隊時代の記憶だったと言います。
そこから、アンパンマンのルーツとなる、
「自分を食べさせて人を救うヒーロー」
が生まれたそうです。
あのアンパンマンが戦争と関わりがあったとは…
震災でも多くの人に希望を与えたアパンマン
そんなアンパンマン、
主題歌のアンパンマンのマーチは、
2011年の震災でも被災者を元気付ける曲として
多くの人に元気と希望を与えてきました。
被災地の子ども達のなかには
「アンパンマンが助けに来てくれるから」
と信じている子が多かったそうで、
引退を考えていたやなせさんはそれを撤回し、
やなせさんご本人も震災直後から寄付をしたり、
グッズの売上の一部を寄付する活動などを
続けてきたとのことです。
世代を超えて広く愛されているアンパンマン。
近年では、ぐずった子どもにアンパンマンの
動画を見せる若いお母さんを幾度となく見かけます。
全国数箇所にアンパンマンこどもミュージアムもあり、
やなせさんが生んだ世紀のヒーローは、これからも
末永く私たちに元気と勇気を与えてくれることでしょう。
もちろん、アンパンマンだけでなく、
やなせさんは新宿区に防犯マスコットを寄贈したりと、
本人曰くの「半分死にかけている」体(ブラックジョーク)
で活動されてきました。
糸井重里さんとの対談:箱入りじいさんの94年
(前向きで明るいやなせさんの楽しいお話にパワーを貰えます)
これまで本当にお疲れ様でした。
偉大なる父、やなせたかしさんのご冥福を
心よりお祈り申し上げます。