5月5日、子どもの日は、端午の節句、別名「菖蒲の節句」とも言われており、菖蒲はこの日に欠かせない物です。今回は、菖蒲湯の身体への嬉しい効果と、やりかたをまとめました。
端午の節句と菖蒲
5月5日の端午の節と菖蒲との
関わりは、遡ると中国から伝わった
ものとされております。
菖蒲の強い香りが邪気を祓うとされ、
中国では、5月5日に、よもぎや菖蒲を
家の軒先に吊るしたり、菖蒲酒を飲む
風習がありました。
日本には奈良・平安時代に伝わり、
後の武家社会では、「菖蒲」が「尚武」
「勝負」に通じるとし、江戸時代には
端午の節句が男の子の節句として
定着し、菖蒲湯も一般庶民にまで広く
浸透ました。
出典:京男雑記帳
軒先に菖蒲を飾る風習は「軒菖蒲」として現代にも
受け継がれています。
菖蒲湯の効果・効能
出典:馬曲温泉だより
菖蒲に含まれる精油成分であるアザロンや
オイゲノールにより、以下の効果が望まれます。
●冷え性
●神経痛
●筋肉痛
●肩こり
●腰痛
●リウマチ
●香りによるリラックス効果
●保温効果(湯冷めしにくい)
菖蒲湯に1度入っただけではこれらの効果を
実感するのは難しいかもしれませんが、
血行促進やリラックス効果は比較的効果を体感
しやすいのではないでしょうか。
菖蒲湯の作り方
用意するものは菖蒲の葉です。
この時期になると、スーパーやお花屋さん、
八百屋さんなどの店頭に並びます。
出典:「ポピー」
こんな風にヨモギとセットになっていることも
あります。
地域格差があると思いますが、200円~500円
で買えます。
菖蒲の有効成分は葉よりも根茎の部分に
多く含まれており、上の写真のようにピンク色
の部分は特に強く香ります。
間違えないで!匂い菖蒲と花菖蒲
因みに菖蒲湯に使う菖蒲は、
こちらです。
サトイモ科の植物で、中央の棒状の物が
花です。
を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、
これはアヤメ科の植物で、こちらの葉では菖蒲湯の
効果は得られません。
「しょうぶ」も「あやめ」も漢字にするとどちらも「菖蒲」…
なんともややこしいですね^^;
菖蒲湯に使うサトイモ科の方を「匂い菖蒲」、
アヤメ科の方を「花菖蒲」と呼んで区別する
こともあります。
簡単な方法
まずは一般的な菖蒲湯の作り方です。
→お店で買った段階で既に束ねてあれば省略
②空の浴槽に束ねた菖蒲を入れる
<給湯式の場合>
③お湯を入れる
→いつもより少し高めの43度位で
<お風呂を沸かせる場合>
③水を入れてから沸かす(43度位)
→お風呂を沸かせるならばこちらがオススメです
④お風呂のお湯を適温に冷まして入浴する
浴槽にお湯や水を張る前に菖蒲を
入れて、水温を高めに設定するのは、
菖蒲の香りと成分をより多く出すためです。
湯船に入れた菖蒲を額に巻いたり、
笛のように吹き鳴らして遊ぶこともできます。
(菖蒲の葉を頭に巻くと賢くなるという言い伝えがあります)
浴槽に直接葉を入れない方法
ひと手間かかりますが、菖蒲の
精油成分を効果的に取り入れられます。
→根茎の部分があれば尚可
②布の袋やダシパックなどに入れる
③②を洗面器(耐熱)などに入れ、上から熱湯を注ぐ
④10分ほど待つ
→精油成分が抽出される
⑤④の抽出液と袋を浴槽に入れる
この場合、既にエキスが出ているので、
適温のお風呂に加えればOKです。
浴槽に直接葉を入れない分、片付けが
楽な方法とも言えます。
※いずれの場合も、お肌が敏感な方や炎症を
起こしている方などは菖蒲湯に浸かる前に少量で
試したり、入浴時間を短くするなどして様子を
見てください。
入浴剤で菖蒲湯の効果を継続的に
近所に菖蒲が売っていない場合や、買いに
行けない場合には、銭湯を利用したり、乾燥
菖蒲や入浴剤を使うのもひとつの手です。
継続して菖蒲の効能を取り入れたい方にも、
入浴剤は手頃でオススメです。
もともとは男の子のお祝いである端午の節句ですが、
現代では菖蒲湯に年齢・性別の制限はありません。
無病息災を願って家族みんなで菖蒲湯を楽しみましょう♪