師走も半ばを過ぎて、お正月関連の品々が店頭に並ぶ時期になりました。
今回は、おせち料理に欠かせない数の子の塩抜き方法についてご紹介します。
コリコリ・ポリポリとした独特の歯ごたえが
魅力の数の子はニシンの卵です。
長期保存のために手を加えられた数の子には、
乾燥させた干し数の子と、塩蔵(塩漬け)した
塩数の子があり、いずれも食べる時には下処理
(干し数の子は「戻し」、塩数の子は「塩抜き」)
が必要になります。
干し数の子は戻すのに手間と時間がかかる
こともあり、いまでは、お店に並ぶのは塩数の子が
ほとんどです。
「塩数の子の美味しさの如何は、塩抜きにあり」
といっても過言でないほど、塩抜きは重要です。
簡単な方法、時間がない時、急いでいる時、
ひとてま加えたこだわりの方法、塩抜きしすぎて
しまった時の対処法をご紹介します。
「目次」をクリックすると各項目に飛びますので、
必要に応じてご活用頂ければ幸いです^^
数の子の塩抜き・簡単な方法
最も簡単でシンプルな方法は、
水1リットルに対して塩小さじ1杯の食塩水に6~8時間浸す
これを2~3回繰り返します。
1回目の水換えの時に、白い薄皮を丁寧に取り除きます。
塩水と数の子の量は、
数の子100gに対して、塩水1リットル
を目安にしてください。
2回目が終わった段階で一度味見をし、若干塩気が
残っている程度でしたらOKです
数の子の大きさや厚みによっても浸水時間が
異なりますので、味見をしながら調整します。
時間がない!!急いで塩抜きしたい場合
慌ただしい年末、気づいたらもう大晦日!!
という場合や、どうしても早急に塩抜きしなければ
ならない場合にはこんな方法もあります。
約40度のぬるま湯で作った1%の塩水に1時間ほど浸す
⇓
真水(ぬるくなくて良い)に1~2時間浸す
1の工程の間に、数の子の薄皮を取り除きます。
2の工程では途中で1~2回水を替えます。
この時に味見をして塩抜きの加減をチェックします。
ぬるま湯1リットルの場合、塩は小さじ2杯程度になります。
(小さじ1杯は天然塩で5g、精製塩で6g 換算表より)
数の子100gに対して塩水1リットルが目安です。
通常では半日~1日かかるところを3時間程度で
できるので、イザという時に知っておくと重宝します。
ひとてま加えたこだわりの塩抜き
塩水の濃度を徐々に下げていく方法です。
海水位の濃度(3~3.5%)の塩水に6~8時間浸す
⇓
2.5%の塩水に6~8時間浸す
⇓
味見して塩気が強かったら2%の塩水に約2時間浸す
昨年数の子の塩抜きをしようと調べていた時に
こちらのブログに辿り着き、腑に落ちて以来この方法です。
参考にしたブログでは、数の子500gに対して塩水1リットル
とのことですが、私は数の子300gに対して塩水1リットルで
塩抜きしています。(我が家は数の子が500gも必要ないため)
塩抜きしすぎてしまったら…
塩数の子の塩抜きをしすぎると、苦味が出てしまいます。
味見をして苦味を感じても、落胆しないでくださいね^^
塩抜きした時よりもやや濃い目の塩水に1~2時間、
様子を見ながら漬けると塩味が戻って苦味が取れます。
なぜ塩水を使うのか
数の子の塩抜きに真水ではなく塩水を使う理由について
調べてみると、多くは「浸透圧の関係で~」とサラリと流して
いるように思えます。
つまり…
塩漬けしてあり塩分が高い数の子を、塩分がない真水に浸ける
(つまり浸透圧の差が大きい)と、数の子に急激に真水が引きこまれて
細胞レベルでの破壊が起こり、結果として旨味や食感を損ねたり、
表面は塩が抜けすぎて苦いのに、中心部はしょっぱいというような、
むらなく塩抜きができないという事がおこります。
ひとことで言うと、おいしく仕上がらないんです。
塩水で塩抜きするのは、数の子と塩水の塩分濃度の差、
すなわち浸透圧の差を小さくして、旨味や食感を保ちつつ、
ムラなくスムーズに塩が抜けるようにするためです。
食べてみて、若干の塩分を感じる程度にまで塩抜きしたら、
あとはお好みの味付けで頂きます。
塩抜きしてからは冷蔵庫で保存し、早めに食べ切るようにします。
それぞれの家庭の味があると思いますが、ご参考までに、
クックパッドの数の子レシピ集を載せておきます。
数の子のレシピ集(クックパッド)
塩抜き、味付け済みの数の子ももちろん市販されていますが、
手をかけて自分で塩抜きすると愛着も湧いたりして、ひと味
違った味わいをお楽しみいただけるのではないでしょうか^^