s_syougatu2 お正月は年神様(正月様・歳徳神)を家にお迎えして新年を祝う、一年で最初の大切な年中行事で、おせち料理やお正月飾りにはそれぞれ大切な意味や由来があります。
日本の素晴らしい伝統と風習を、次の世代に引き継いでいけるようにと、自分なりにおさらいしました。

 

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「正月事始め」:まずは新年を迎える準備から!

お正月を迎えるために、昔の人々は入念に
準備を進めました。

その新年のための準備を始めるのが、12月13日で、
これを「正月事始め」といい、31日までに全ての準備を
終わらせます。

なぜ12月13日になったかというと、江戸時代中期まで
使われていた宣明暦では旧暦の12月13日は必ず
「鬼宿日」になり、鬼の日は婚礼以外全てにおいて
吉とされていたためにこの日が選ばれました。

※地域によっては12月8日が正月事始の場合もあります。

具体的にすることは?

12月13日

【松迎え】
門松にする松や、おせち料理を作るためのまきなどを
恵方の山に取りに行く。

【煤(すす)払い】
昔は各家にかまどや囲炉裏があったことから、
すす掃き、すす納めの行事とも言われ、年神様が
沢山のご利益を持ってきてくれるようにと、家の内外の
大掃除をしました。

【針供養】
一年間お世話になった道具を片付け、供養する習慣の
代表的なものです。
針仕事を休み、折れた針を豆腐やこんにゃくなどの
柔らかいものに刺して供養しました。
※12月8日、2月8日にする地方もあります。

【現代ではどう取り入れる?】
・今年お世話になった道具を片付け、新しい
手帳やカレンダーを用意する

・お正月の準備や年内にすべき事をリストアップする

年賀状の準備

お歳暮を贈り始める(関西)
⇒お歳暮はお正月用のお供え物だった名残です。
お歳暮のマナーや時期などについてはこちらからどうぞ♪

・少しづつ計画的に大掃除を始める
⇒年末に慌てなくてすみます。

12月28日

【仕事納め・御用納め】
1年で最後の業務日として、官公庁や学校は
12月28日と法律できまっています。

【注連(しめ)飾りや門松をかざる】
28日か30日に飾るのが一般的です。
喪中の場合にはお正月飾りは一切行いません。

12月31日

【大晦日(おおみそか)】
1年の最後の日。

毎月の最終日を晦日(みそか)といい、1年で最後の
みそかで大晦日。別名大つごもりともいいます。

旧暦では三十(みそ)日(か)で30日のことをさして
いましたが、新暦の現在では12月31日を指します。

行く年、来る年の境として、しめやかに行事が
執り行われます。

神社では半年の厄を落とす「年越の祓(としこしのはらえ)」
が行われます。人形(ひとがた)に氏名と生年月日を書き、
罪を移してお清めします。(年の前半の厄は、6月30日の
夏越の祓(なつごしのはらえ)で清めます。)

お正月飾りに込められた意味

門松・注連(しめ)飾り・鏡餅。
これまで毎年何気なく飾っていましたが、
これにもしっかりと意味がありました。

門松

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読んで字のごとく、門に飾ります。
この門松を目印に年神様がいらっしゃいます。

一年中緑色で(枯れない)、神様が宿る木とされる
大きな成長力で生命の象徴である、新春に咲き、
一年の始まりを意味するを紅白2色添えて、2つで
一組、向かって左を雄松、右を雌松と呼びます。

梅の代わりに魔よけの赤として南天を使うことも
あります。

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また、インターネットの画像検索では、写真のように
葉牡丹を使っている門松も多く見られました。

注連飾り

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玄関に飾ります。
家の中が年神様をお迎えするために清められている
ことを意味します。

使われるのは、

しめ縄
⇒豊作祈願のために稲ワラで編んだ縄です。
編む向きや飾る方向には地域差がありますが、
一般的には太いほうが右側に来るようにします。

うらじろ
⇒常緑、多年生のシダ植物。
不老長寿の意味と、葉の裏が白く、後ろ暗いところが
ない、清い心を表します。

ユズリハ
⇒常緑樹。新葉が出てから古い葉が落ちるため、
子孫繁栄の縁起の良い木とされています。
葉や実には毒性があるので口に入れないように
注意してください。

ダイダイ
⇒代々栄えるようにと、家運降盛の願いを込めて。。

昆布
⇒喜ぶにかけて縁起物として用いられます。

御幣(ごへい)
⇒神の力が宿る紙

など、縁起の良いものが使われます。

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地域によって、使う素材や形も、様々で、
しめ縄を丸くした物、まっすぐな物、縄のみの
シンプルなタイプから藁で鶴や亀を形作ったもの、
花々をあしらったものなど実に多種多様です。

伊勢など一部では、一年中注連飾りを飾った
ままにする地域もあります。

最近では創作門松や創作しめ飾りと称して
現代的にアレンジを加えたものや、縄に色づけ
したものも出回っております。

正月飾りは時期になると出店がでたり、スーパーや
ホームセンター、インターネットでも販売されます。

楽天で売られているお正月飾り

干支の飾りなど、手作りされる方には
便利な手作りキットもオススメです。

手作りキット一覧はこちらから

 鏡餅

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神様の居場所として、家の中で格が高い場所
とされる床の間に飾るのが最も良いとされています。

床の間がない場合は、玄関から離れた奥まった場所や、
居間などに飾ります。

床の間に大きいものを、神棚や仏壇、家族の自室など、
生活するのに大切な場所に小さいものを複数お供え
したり、家族の人数分小さいものをお供えする家庭
もあります。

鏡餅は、神に捧げる神聖な食べ物としてお祝い事や
お祭りには欠かせない餅を、神事に使う鏡や人の魂を
模して丸く形作られたと言われています。

2つの丸は陰(月)と陽(太陽)を表し、2つ重ねることで
円満に年を重ねるという意味合いもあります。

餅の他にうらじろ、ゆずりは、ダイダイ、昆布やするめ、
串柿など縁起が良いものをあしらい、正式には半紙や
四方紅(紅で縁取ってある紙)を敷いた三方(さんぼう)
で供えます。

【串柿】
長寿の木である柿は、 幸せをカキ集める、
「嘉来」(かき=喜び幸せが来る) と縁起が良い
木とされています。干し柿を串に刺した串柿の場合、
柿は外側2個づつ、内側に6個串に刺し、
「外はにこにこ、中(仲)むつまじく」
の語呂合わせになっています。

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また、五個刺しの場合は、
「ひとり(1個)ひとり(一個)が皆(3個)幸せに」
という意味になります。

鏡餅と橙と串柿で鏡と玉と剣の三種の神器を
表し、「積慶」「重輝」「養正」の建国の理想が
託されていると言われております。

う~ん。。
こんなに奥が深いものだったとは…!
生まれてぅん十年、ここまで考えて飾って
いませんでした。反省。。。

そして鏡餅にも地域差があり、紅白2色にしたり、
餅を3段重ねにしたり、砂糖で作る地域もあります。

近年では衛生面や利便性などから、鏡餅の形の容器に
充填された餅や、複数の個包装された餅が入ったもの、
プラスチックのダイダイや干支の飾り、水引などがついた
ものなど、そのまま飾れる物が多く出回るようになりました。

 飾る時期はいつからいつまで?

お正月飾りはいつ飾っていつ外すのか、迷ってしまう
方もいらっしゃるのではないでしょうか?

飾る日

一般的に飾るのを避けた方が良いとされる日を
先に挙げると、12月29日と31日です。

29日は「二重苦」「苦立て」「苦松=苦が待つ」に
通じるため、避けます。
※29=ふく=福と、縁起が良いとし、餅つきをする
地域もあります。

また、31日に飾るのを「一夜飾り」と言い、葬儀と同じで
縁起が悪く、年神様をお迎えする飾りが一夜限りなのは
失礼であることから、避けられています。
※氏神様の創建が12月31日の場合はあえて31日に
飾るケースもあります。
※浄土真宗はこの限りではありません。

飾るのに良いとされるのは、末広がりの八がつく28日や、
きりが良いとされる30日です。

尚、年末にお墓参りをする際には、お正月飾りをする前に
済ませるのが良いとされています。

正しいお墓参りのしかた

外す日

関東・関西など、地域によって違いはあるものの、
基本的には年神様がいらっしゃる(滞在している)と
言われる1月7日の松の内まで飾ります
(関西では1月15日の小正月まで飾るケースが多いようです)

門松や注連飾りは1月7日にはずし鏡餅については
1月11日の鏡開きの日にお汁粉などにして頂きます

伝統的には、1月7日の朝に七草粥を頂いた後に
外すことが多いようです。

鏡餅は松の内を過ぎてそのまま11日まで飾っても
かまいませんが、食べ物以外の飾りはこの時に
取り外すとその後の処分がスムーズです。

因みに、鏡「開き」という言い方をするのは、餅に刃を
入れて「切る」という行為が切腹につながり縁起が悪い
ということから、「開く」という言葉を使うためです。

そのため、正式には包丁で切るのではなく、木槌や
金槌で叩いて割ります。

子供の頃はパックに入った餅が今ほど普及しておらず、
飾っていた鏡餅がひび割れたり(時にはカビたり…)して、
叩いた時に小さく割れてしまったものを油で揚げて
おかきとして頂いた覚えがあります。(ちょうど良い具合に
乾燥していたのでしょうね^^)

パックの餅を開く(叩く)場合には、パックから出して少し
乾燥させてからにしたり、様子をみながらベタベタに
ならない程度にレンジでチンして、やけどをしないように
ちぎるという方法もあります。

月見団子などと同じく、神様にお供えしてその力が
宿った鏡餅を食べることで、ご利益を得て、無病息災を
願います。

 外したあとは…処分方法

正式な処分方法としては、定められた期間内に
近所の神社に持って行きます。

1月15日の小正月に神社などで行われる
「どんど焼き」「左義長」「お炊き上げ」などで
焼きます。

書初め・席書きを持っていくと習字が上達し、
どんど焼きの火で焼いた餅や団子を食べると
無病息災で過ごせると言われています。

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どんど焼きで団子を焼いている様子:画像借用元

お正月飾りは年神様をお迎えするための神聖な
ものなので、粗末に扱わず、外してから保管する
際にも、ゴミ袋などに入れるのではなく、紙に包む
などするようにします。

【自分で処分する場合】

どんど焼きがなかったり、神社で処分できない
場合は、無造作に捨てるのではなく、きちんと
お清めをしてから処分します。

大き目の紙を広げ、左・右・中とお清めの塩を振り
その紙でお正月飾りを包んで、地域のゴミの出し方
に従って、一般のゴミとは分けて(他のゴミと同じ
袋に入れないで)処分します。

その時に飾りを細かく切っても良いです。

自宅の庭などで焼く場合には、お神酒と塩で
土を清め、清浄な炎で焼くようにします。

様々な意味合いが含まれているお正月飾り。

ただただ飾るだけでなく、外してから処分する
ところまできっちりと行いたいですね^^

長くなりましたが最後までお付き合い頂き
ありがとうございました。
少しでもお役に立てれば幸いです^^

新たな一年が、幸多きものになりますように…☆

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